太陽電池モジュールは「ソーラーパネル」とも呼ばれ、太陽の光を電気に変える装置のことを指します。
太陽電池モジュールを設置することでどんなメリットが得られるかを知るには、太陽電池モジュールの仕組みや性能についてきちんと理解しなければなりません。
そこでこの記事では、太陽電池モジュールの基本知識から性能までを図解でわかりやすく解説します。ぜひ最後まで読んでみてください。
太陽電池モジュールとは?図解でわかる基本知識
それではまず、太陽電池モジュールの基本的な仕組みについて理解しましょう。
先述したように、太陽電池モジュールとは太陽の光から電気を作り出す装置のことです。ソーラーパネルや太陽光パネルとも呼ばれますが、どれも同じものを指しています。
セル?モジュール?太陽電池の単位を知ろう
太陽電池モジュールについて調べていくと、「セル」や「モジュール」といった聞きなれない単語が出てきます。これらは、太陽電池の単位を表します。
性能を比較する際には単位について理解する必要があるので、ここで単位の関係性をしっかり確認しましょう。
セル
セルは太陽電池の最小単位です。1辺が10cm程度と小さく、単体での出力は0.5Wほどです。
モジュール
セルを繋ぎ合わせてガラスやフレームで保護したパネルをモジュールと言います。
一般的に、太陽光パネルやソーラーパネルと呼ばれるのはこのモジュールを指し、必要な発電量や設置スペースに合わせて組み合わせます。
モジュールの形状やサイズ、発電量はメーカーによって異なります。
ストリング
モジュールを直列回路で繋いだものをストリングといい、「1ストリング」のように単位としても使います。
乾電池と同じように、直列で繋ぐことでより電流が強くなります。
アレイ
アレイは太陽電池の最大単位です。複数のストリングを並列回路で繋いだ状態を指します。この場合、モジュールの出力の合計がアレイの出力になります。
例えば、1枚あたりの出力が200Wのモジュールを20枚設置すると、200W×20枚=4000W(4kW)のように計算できます。
太陽電池モジュールの「変換効率」と「発電効率」
ここまでで、太陽電池モジュールがどんなものなのか、全体像が理解できたと思いますので、次に太陽電池モジュールの性能について知っていきましょう。
性能を判断する大事な指標として、「効率」が挙げられますが、効率には「変換効率」と「発電効率」の2種類があります。
混同されがちですが、意味が異なりますので確認しましょう。
太陽電池モジュールの「変換効率」とは?
太陽電池モジュールは太陽の光から電気を作り出しますが、太陽からの光を100%電気に変換できるわけではありません。
この時、太陽電池が受け取った太陽からの光エネルギーが、どれくらい電気エネルギーに変換されたかを表す指標が『変換効率』なんです。
変換効率は、『変換効率(%)=(出力した電気エネルギー/取り込んだ光エネルギー)×100』の計算式で求めることができます。
つまり、変換効率が高ければ高いほど、同じ面積からより多くの電気エネルギーを作ることができます。
限られたスペースを最大限活用し、長期的な発電量を増やすには、できるだけ高効率のモジュールを選びましょう。
変換効率には2種類あるので比較するときには単位に注意してください。
- モジュール変換効率:モジュール1㎡あたりの変換効率
- セル変換効率:セル1枚あたりの変換効率
モジュールは回路を接続することでロスが生じるため、一般的にセル単位の変換効率の方が高くなります。
太陽電池モジュールの「発電効率」とは?
一方で、『発電効率』とは日射量や設置環境などの条件を含めて、どれくらい電気に変換できたかを表す割合のことを言います。
つまり、変換効率(性能)が高くても、設置する環境によっては全体の発電効率が落ちてしまうこともあります。
太陽電池モジュールの「公称最大出力」とは?

引用:長州産業
『変換効率』のほかに、太陽電池モジュールの性能を比べる指標として『公称最大出力』があります。
『公称最大出力』はモジュール1枚あたりの発電能力の上限を表します。どういうことかというと、実際の環境では天気や日差しの強さによって発電量が変動します。
そのため、発電能力を比較する目安として、一定の条件下でどれだけの電力量を作れるかを示しているのです。
公称最大出力から発電できる電力量を求めるには?
電力と電力量の関係は以下の通りです。
指標 | 単位 | 説明 |
電力 | kW | 瞬間的なエネルギーの量 |
電力量 | kWh | 一定期間のエネルギーの総量 |
電力量は、『電力量(kWh)=電力(W)×時間(h)』の計算式で求めることができます。
例えば、348Wのモジュールを15枚設置している家庭が5時間発電した場合の電力量は、『348×15×5=26kWh』となります。
太陽電池モジュールの性能を種類別に比較
次に、太陽電池モジュールの性能を種類別に比較してみましょう。
太陽電池モジュールは素材によっていくつかの種類に分類されます。
ここでは、シェア率95%を占める主なモジュールの単結晶・多結晶・薄膜系の3つを比較しながら解説します。
変換効率 | 価格 | 温度耐性 | 重量 | |
単結晶 | 高 | 高 | 弱 | 重 |
多結晶 | 中 | 安 | 弱 | 重 |
薄膜系 | 低 | 安 | 強 | 軽 |
単結晶シリコン
現在、住宅用にもっとも使用されているのが単結晶シリコンのモジュールです。
いちばん古くから製造されているタイプで、高純度のシリコン結晶を規則正しく並べているため、変換効率が16〜20%と高いのが特徴です。
住宅の屋根など、スペースが制限される場所に最適と言えるでしょう。
多結晶シリコン
多結晶シリコンのモジュールは、単結晶タイプのモジュールの低コスト化・量産化を目指して開発されたものです。
単結晶モジュールの端材を使用しているため、変換効率は13〜15%と単結晶モジュールよりも落ちますが、その分割安です。
主に規模の大きい産業用の太陽光発電に利用されています。
薄膜系
薄膜タイプはシリコンを使っていないモジュールです。太陽電池で動く電卓などに使われているので、イメージしやすいのではないでしょうか。
軽量で薄いので、屋根以外にもさまざまな場所に設置することが可能ですが、シリコン系と比べると変換率が低いのが課題です。
温度が上昇しても変換効率があまり変わらない利点もあるため、今後の開発が期待されています。
記事のまとめ
この記事では、太陽電池モジュールとはどんなものなのかという基礎知識と、性能を比較するための指標について解説しました。
「変換効率」と「公称最大出力」を理解して性能を比較し、納得のできるメーカーや製品を見つけてください。
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