「売電価格が下がっているってホント?」
「設置費用は回収できない?損する?」
2024年の現在、売電価格は年々低下しており、16円/kWh(10kW未満)となっています。
一方で、太陽光パネルの設置価格も低下しているため、費用は回収できますし、大きな費用対効果を得られる可能性が高いです!
そこでこの記事では、今後の売電価格の推移予測と売電収入・節約効果の計算を解説。
太陽光発電を最大限活用するためのコツやおすすめのパネルもまとめているので、ぜひ参考にしてください。
太陽光発電についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
2023年・2024年の売電価格はいくら?
2023年度の太陽光の売電価格であった、16円/kWh(10kW未満)に引き続き、2024年も16円での売電となります。
2023年・2024年の太陽光発電の売電価格
10kW未満 | 10kW以上50kW未満 | 50kW以上 | |
2023年度 | 16円 | 10円 | 9.5円 |
2024年度 | 9.2円 | ||
交付期間 | 10年間 | 20年間 |
住宅用太陽光発電の2023年・2024年の売電価格は16円/kWh、交付期間は10年間となっています。
2024年に売電価格が低下することが懸念されていましたが、2023年度と同様の買取価格となりました。
住宅用太陽光パネルは、一般的に5kWh前後なので、16円/kWhでの買取が10年間保証されます。
太陽光発電の売電価格の下落傾向はつづいている
2024年の売電価格は16円/kWhとなっており、12年前から26円/kWhも低下しています。
10年前と比べると、売電収入が少なくなっているのは間違いないでしょう。
しかし、設置費用は回収することができます。それは、太陽光パネルの価格も低下しているからです。
下記で詳しく見てみましょう。
売電価格はどうして下がっているの?
売電価格が低下している理由は、主に2つです。
- 設置費用の低下
- 再エネ賦課金の抑制
太陽光パネルの設置費用も低下している
売電価格低下の大きな理由は、太陽光パネルの設置費用の低下です。
技術の進歩や市場の拡大に伴い、太陽光パネルの価格は年々下がり、10年間で20万円/kWhほど安くなっています。
短期的には、原材料の価格変動や需要と供給のバランス、政策や規制の影響などによって上下することもあります。
性能の高い太陽光パネルが普及し、その設置費用は下がっているため、売電価格は下がっています。
売電価格は低下していますが、パネルの設置費用も低下しているため、設置費用を回収することが可能です。
後ほど、シミュレーションで具体的に解説します!
再エネ賦課金の抑制
FIT制度は、国民の月々の電気料金に上乗せされる料金「再エネ賦課金」が原資となっています。
参入事業者が増加し太陽光パネルが普及したことで、再エネ賦課金は年々上昇傾向が見られ、国民の税負担が増加しました。
国は、再エネ賦課金の抑制のために、売電価格を調整しています。
そもそもFIT制度とは?
ここまで解説した売電価格とは、FIT制度の価格になりますが、制度を知らない方に向けて概要を簡単に解説します。
FIT制度とは、再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定の価格で買い取ることを国が約束する制度です。
この制度により、高いコストがかかる設置費用の回収の見通しが立ちやすくなります。
経済産業省 資源エネルギー庁|買取価格・期間等(2012年度~2023年度)、買取価格・期間等(2024年度以降)
下がり続ける?今後の売電価格の推移予測
太陽光発電の売電価格は年々低下しているため、今後も低下する可能性が高いでしょう。
2030年度の売電価格は8.5円/kWh!?
現在の売電価格は16円/kWhですが、今後さらに低下する見込みです。
経済産業省は2016年、2025~27年度までに11円/kWhとする考えを示しています。
また2021年、売電価格を段階的に低下させ、 2030年度8.5円/kWhを想定すると発表しています。
新建ハウジング|行政動向
経済産業省|2030年における太陽光発電導入量・買取総額の推計と今後の制度設計のあり方
早めの太陽光パネル設置でおトクに!
2024年は、2023年に引き続き16円/kWhでの買取が発表されていますが、2025年度以降の売電価格低下が懸念されます。
FIT制度では、10年間一定の売電価格が保証されるため、現在設置すると16円/kWhで10年間買い取ってもらえます。
また、今後はさらに電気代が高騰することが予想されます。
電気代が高騰しつづける可能性
電気代は増加傾向にあり、今後も上がっていく可能性が高いと予想されます。
それは、燃料価格が高騰しているからです。
高騰している理由は、世界的に経済活動が回復している状況の中、エネルギー燃料の需要が高まっているからです。
また、ロシアのウクライナ侵攻などを背景として生じている、世界的なエネルギー危機などの理由もあり、今後もしばらくはエネルギー価格の高騰は続くでしょう。
太陽光パネルを設置し電力の自家消費をすることで、電気代を節約することができます。
損する?太陽光発電の売電収入・節電効果の計算
「売電収入は得られない?」
「設置費用は回収できるの?」
「損しないのか、具体的な計算を知りたい」
そんな方のために、太陽光パネルを設置した場合のシミュレーションをしてみましょう。
自家消費をメインにすることで効果を大きくできる
売電価格が低下し、電気代が高騰しているため、自家消費をメインとすることで節約効果を高めることができます。
また、今後も電気代が高騰し続けることが懸念されるため、自家消費をすることで家計に大きなメリットが期待できます!
自家消費をメインにした場合の具体的な売電収入や節約効果を計算してみましょう。
【シミュレーション】設置費用は約10年で回収できる!
一般的な大きさである「5kWの太陽光パネル:約130万円」を設置した場合のシミュレーションは以下のようになります。
月間電気代 |
年間維持費 |
月間売電収入 |
年間収支 |
費用回収年数 | ||
補助金なし | 補助金あり※ | |||||
設置前 | 1.5万円 | – | – | 18万円の支出 | – | – |
設置後 | 0.8万円 | 1.5万円 | 0.5万円 | 5.1万円の支出 | 11年 | 6年 |
- 5kWの太陽光パネルを設置
- 「30%自家消費・70%売電」として電力を利用
- 3人家族の平均電気代をもとに計算(総務省統計局「家計調査(家計収支編)2023年」)
- 東京都の補助金の受け取り(災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業)
5kWの太陽光パネルを設置した場合、約13年で設置費用を回収することができます。
しかし、自治体からの補助金を活用して設置費用を抑えることで、約7年での費用回収が可能になります!
各自治体の補助金やソーラーローンを活用することで、より安く気軽に太陽光発電設備を設置できるので、ぜひ確認してみてください。
売電収入・節電効果はどのくらい?
月あたり | 年あたり | 年間 | ||
自家消費メイン | 売電収入 | 0.5万円 | 6万円 | 12万円の節約効果 |
節電効果 | 0.5万円 | 6万円 | ||
売電メイン | 売電収入 | 0.65万円 | 7.8万円 | 7.8万円の節約効果 |
自家消費をメイン(自家消費30%・売電70%)にした場合、売電収入・節電効果は、それぞれ0.5万円/月、6万円/年となり、1年間で12万円おトクになります!
一方で、売電を100%にした場合、節約効果は年間7.8万円になります。
自家消費をメインにすることで、節約効果を大きく高められることがわかります!
太陽光パネルの設置で大きな費用対効果が得られる!
太陽光パネルの設置費用は約10年で回収することができます。
太陽光パネルの寿命は20〜30年とされているため、費用回収後の約20年は大きな経済的メリットを得られるでしょう。
「売電収入:6万円/年」「節電効果:6万円/年」「維持費:1.5万円/年」で計算すると、20年間で合計210万円の経済効果を見込めます!
太陽光パネルを設置して、家計と環境にやさしい生活を送りましょう!
資源エネルギー庁|太陽光発電について
買取価格・期間等|FIT・FIP制度 なっとく!再生可能エネルギー:経済産業
詳しいシミュレーションを知りたい方は、無料シミュレーションをご利用ください。
損しないために!太陽光発電を最大限活用するコツ
売電価格が低下している中、太陽光発電を最大限活用するために、特に以下の3つに注意しましょう。
- 効率重視で太陽光パネルを選ぶ
- 自家消費をメインにする
- 売電価格の高い電力会社を選ぶ
ここでは、注意点について1つずつ解説します。
発電効率の良い太陽光パネルを選ぶ
発電効率の良い太陽光パネルを設置することで、より多くの電力を発電でき効果を高めることができます。
太陽光パネルを購入する際には、価格の安さも大切ですが、発電効率を重視しましょう!
また、複数社を比較して選ぶことも大切です。
詳しくは「5.オススメの太陽光パネル3選」をご覧ください。
自家消費をメインにする
自家消費をメインにし、余った電力を売るという形にすることで太陽光発電を最大限活用できます。
電気代が高騰し、売電価格が低下している現在は、自家消費をメインとすることで費用対効果を大きくできるからです。
しかし、太陽光発電は日光を受けられるときのみしか発電できません。
そこで、蓄電池との併用をオススメします。
蓄電池を併用する
太陽光パネルと蓄電池を併用することで、夜間の電力も賄うことができます。
また雨天時など、天候が悪いときにも自家発電した電力を利用でき、電気代の節約効果を高められます。
一般的な大きさである「5kWの太陽光パネル:約130万円」と「6kWhの蓄電池:約120万円」を設置した場合のシミュレーションは以下のようになります。
月間電気代 |
年間維持費 |
月間売電収入 |
年間収支 |
費用回収年数 | |||
補助金なし | 補助金あり※ | ||||||
設置前 | 1.5万円 | 18万円の支出 | |||||
設置後 | 太陽光パネル | 0.8万円 | 1.5万円 | 0.5万円 | 5.1万円の支出 | 11年 | 6年 |
太陽光パネル+蓄電池 | 0.3万円 | 1.5万円 | 0.2万円 | 3万円の支出 | 17年 | 5年 |
蓄電池も導入すると、初期費用はもちろん高くなってしまいますが、それ以上の効果を得ることができます。
電気代の節約効果を高められ、補助金も多く受け取ることができるため、10年以内での費用回収が期待できるでしょう。
また、蓄電池の設置によって災害や停電にも備えることができます!
売電価格の高い電力会社を選ぶ
FIT制度終了後に電力を買い取ってもらう電力会社をきちんと検討することで、卒FIT後も売電収入を得ることができます。
FIT制度は再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定の価格で買い取ることを国が約束する制度です。
現在10kW未満の太陽光パネルを設置した場合、16円/kWhでの10年間の買取が保証されます。
しかし、10年後つまり卒FIT後の売電は保証されていないため、新たに電力会社と契約する必要があります。
電力会社によって、売電価格やサービス内容は異なるので、しっかりリサーチして決定しましょう。
電力会社 | 売電価格 |
東京電力 | 8.50円/kWh |
関西電力 | 8.00円/kWh |
中部電力 | 7.00〜12.00円/kWh |
東北電力 | 9.00円/kWh |
九州電力 | 7.00円/kWh |
中国電力 | 7.15円/kWh |
四国電力 | 7.00円/kWh |
北海道電力 | 8.00円/kWh |
北陸電力 | 【2.0kW以上3.5kW未満 】15,000円/年 【3.5kW以上5.0kW未満】25,000円/年 【5.0kW以上 10.0kW未満】 35,000円/年 |
沖縄電力 | 【沖縄本島】7.7円/kWh 【離島】7.7円/kWh |
発電効率バツグン!おすすめの太陽光パネル3選
太陽光パネルを選ぶ際には、発電効率がとても大切です!
より多くの電力を発電することで、節電効率を高め、売電収入を増やすことができるからです。
ここでは、発電効率に優れている太陽光パネルを3つご紹介します。
マキシオン
マキシオンの太陽光パネルは、40年で「88.3%」の発電効率を保証しています。
さらに製品保証や修理や交換サービスにも保証がついているという手厚いサービスを行なっています。
しかし、長方形のパネルしか用意していないため、パネル自体が載らない可能性があるところは大きなデメリットだと言えるでしょう。
品番 | SPR-MAX3-400 |
最大出力 | 400W |
変換効率 | 22.6% |
重さ | 19kg |
カナディアンソーラー:HiKu6
カナディアンソーラーのHiKu6は、独自の単結晶シリコン技術を採用しており、低照度や高温下でも性能が低下しにくいので、年間で安定した発電が見込めるでしょう。
また、モジュール(パネル)の出力は25年保証されており、12年の製品保証も付いています。
マキシオンと同様に、「長方形パネル」しか扱っていない点はデメリットだと言えます。
型番 | CS6R-410MS |
最大出力 | 410W |
変換効率 | 21% |
出力保証 | 25年 |
機器保証 | 10〜15年 |
エクソル:XLM108-415X
エクソルの「XLM108-415X」は、25年目でも『84.8%』の出力保証をしており、さらに一般的なパネルよりも『21%』と高い発電効率を実現しています。
また、このパネルは厳しい環境条件下でも性能を維持できるように設計されているのも特徴の一つです。
しかし、高い性能のために価格が高くなっています。
型番 | XLM108-415X |
最大出力 | 415W |
変換効率 | 21.3% |
出力保証 | 25年 |
機器保証 | 12年 |
売電価格に関するよくある質問
太陽光発電の売電に関するよくある質問にお答えします。
- FIP制度ってなに?
- 売電価格が低下しているのに、太陽光パネルを設置しても損しない?
FIP制度ってなに?
FIP制度は、簡単にいうと、再生可能エネルギーの買取を変動価格で行う制度です。
市場価格によって買取価格が変動するため、戦略的に売電を行い収益増加を目指せますが、長期的な計画は立てにくくなります。
FIP制度の対象は、50kW以上の発電所となっているため、現時点では住宅用発電には影響ありません。
売電価格が低下しているのに、太陽光パネルを設置しても損しない?
発電した電力を自家消費することで、大きな経済メリットを得ることができます。
確かに売電価格は低下傾向にありますが、電気代が高騰しているため、電気代の節約効果を高められるからです。
電力の自家消費をして、家計にやさしい生活を送れるでしょう。
記事のまとめ
2023年度・2024年度の太陽光発電の売電価格は16円/kWhとなっています。
売電価格は年々低下しており、今後も下がり続けることが予想されます。
しかし、その背景には太陽光パネルの設置費用の低下があるため、設定費用は約10年で回収でき、回収後も大きな経済効果が期待できます。
節約効果を最大にするために、蓄電池と併用したり、発電効率の高い太陽光パネルを選んだりすることをオススメします!
詳しいシミュレーションなどについて、ぜひNOWALL|スマートハウスメディアの無料相談をお気軽にご利用ください。