電気料金ランキング!大手電力10社はどこが安い?世帯別の平均額も解説

電力会社ランキング

これから冬にかけて”高騰する”電気代

知ってる人も多いと思いますが、住んでいる地域の電力会社によって、料金が変わることを知らない人もいるのではないでしょうか?

実は、電気代が一番安い電力会社と高い会社の料金差は、なんと年間で30,000円以上もあります!

そこでこの記事では大手電力会社の電気料金ランキングを発表。またなぜ会社によってこんなにも料金差が出るのか解説します。

あわせて、世帯別・季節別の平均の電気代もご紹介。お家の電気代が平均と比べて高いのか、ぜひ家計の見直しの参考にしてください!

今回のランキングは大手電力会社10社のみ

電力会社には、大きく分けて『大手電力会社』と『新電力』の2つがあり、今回は大手電力会社に絞って、ランキングを発表しています。

そもそも新電力とは、2016年に電力の小売全面自由化がスタートしたことによって新規参入した電力会社のこと。

上記の表を見てわかる通り、新電力のシェア率は22.3%*で、多くの方は大手電力会社を利用しているため、今回のランキングは大手電力に絞って解説しています。

※低圧契約のみ

目次

大手電力会社10社の電気料金ランキング

それでは、早速ランキングを見ていきましょう。大手電力会社10社の1ヶ月の料金を比較してみました。

電力会社ランキング

電力会社 1ヶ月の料金
1位 関西電力 4,709円
2位 沖縄電力 4,950円
3位 九州電力 5,424円
4位 北陸電力 6,012円
5位 中部電力 6,051円
6位 東京電力 6,075円
7位 東北電力 6,130円
8位 中国電力 6,272円
9位 四国電力 6,900円
10位 北海道電力 7,528円

結果として、最も料金が低いのは関西電力、料金が高いのは北海道電力でした。その差は、なんと月2,819円!年間にすると33,828円の差です。

上記の数字はあくまで一例です。電力会社によっては、生活スタイルに合わせた様々な料金プランが用意されていますので、どのプランが一番あっているのか公式サイトからシミュレーションしてみてください。

電気料金の算出方法

各電力会社の公式サイトから、以下の条件で計算しています。

『基本料金+電力使用量料金+燃料調整費+再エネ賦課金』

40Aかつ1ヶ月の電力使用量が180kWhで計算  ※10A=1kVAで計算

世帯別の平均電気料金

次に、世帯別の電気料金を見てみましょう。電気代の決まり方は、『固定費(使っていなくても最低限払う料金)+消費分料金』で導き出されます。

つまり、世帯人数が増えるほど消費する電力も多くなるので電気代も高くなるのです。

また、夏や冬は冷暖房をつける頻度が増えるので、電気代も高くなる傾向にあります。

5月(中間期) 8月(夏季) 1月(冬季)
1人世帯 5,857円 8,197円 11,739円
2人世帯 7,861円 11,638円 18,270円
3人世帯 8,546円 13,085円 19,394円
4人世帯 10,072円 15,194円 23,041円

電気料金は冬が一番高い!

先述したように、夏と冬は電気代が高くなります。

しかし、意外なことに冬は夏の電気料金の1.5倍以上かかるんです。

季節別の電気代比較(2023年)

その背景としては、以下の理由が挙げられます。

  • 外気温と室内温度の差が大きい
  • 屋内での活動時間が増える
  • 暖房機器の使用時間が増える
  • 日照時間が減少することによって照明をつける時間が増える

電気料金はどうやって決まるの?

そもそも、電気料金はどのように決まるのでしょうか?

請求書の詳細を見てもよくわからなかったり、さまざまな電気料金プランがあって困ってしまった経験がある方も多いでしょう。

電気料金を決める4つの要素とは?

電気料金の内訳

家庭で使用する電気料金は、以下の4つの要素で構成されています。

それぞれの項目について順番に解説します。

①基本料金 毎月固定で支払う費用

  • 最低料金制
  • アンペア制
②電力使用量料金 電力使用量に応じて決まる費用
③燃料費調整額 電力を生成するために必要な『燃料の価格変動』を反映するための費用
④再エネ賦課金 電力会社が再生可能エネルギーの発電者から買い取った電力の費用

 ①基本料金

基本料金は、毎月の電力使用量に関係なく支払わなければならない料金のことです。

電力会社が電力を供給するための維持費として設定している料金なので、料金は電力会社ごとに異なります。

最低料金制とアンペア制の2種類があります。

  • 最低料金制

最低料金制は契約しているアンペア数に関係なく、基本料金が固定で決まっている考え方です。

使用した電力量が基本料金分より少なかったとしても、支払う必要があります。

  • アンペア制

アンペアとは電流の流れる量の単位です。契約するアンペアの大きさによって基本料金は決まりますが、同じアンペア数でも電力会社や料金プランによって金額は異なります。

また、アンペア数が小さければ基本料金は安くなりますが、一度に使える電気の量が少なくなりますので、契約したアンペア以上の電化製品を使うとブレーカーが落ちてしまいます。

契約アンペア数 中部電力 東北電力
10A 321.14円 302.50円
15A 481.71円 453.75円
20A 642.28円 605.00円
30A 963.42円 907.50円
40A 1,284.56円 1,210.00円
50A 1,605.70円 1,512.50円
60A 1,926.84円 1,815.00円

    ②電力使用量料金

    電力使用量料金は、基本料金に設定された電力使用量を超えた際に、実際に使用した電力量に合わせてかかる料金です。

    選ぶことのできるプランはさまざまで、市場連動型プランや時間帯別プラン、オール電化向けプランなど、生活スタイルに合わせた料金プランから選ぶことができます。

    ③燃料費調整額

    燃料費調整額

    (引用:四国電力

    燃料費調整額とは、ざっくり説明すると、電力会社が電気燃料を購入したときにかかった金額の一部を電気代に反映させたものです。

    原油・天然ガスなどの電気を作るための燃料が高いと、その分電気代を上げる必要がありますし、逆に安くなると電気代も下がる、という仕組みです。

    最近では、円安の影響でこれらの燃料にかかる費用が大きくなっており、電気料金においても値上げという形であらわれています。

    ④再エネ賦課金

    FIT制度

    (参考:経済産業省)

    再エネ賦課金とは、『電力会社が再エネで生まれた電気を買いとった分』を、電気を使用する人にも負担してもらうという制度のことです。

    太陽光発電などを設置していると国の制度に則って、10年間は電力会社などに余った電気を売ることができるのですが、そこで買い取った金額に関しては「国民全員で負担しよう」という制度です。

    電力会社によって料金に差があるのはなぜ?

    では、どうして電力会社によって電気料金に差が生まれるのでしょうか?

    その理由は、先述した電気料金を決める単価が電力会社ごとに異なるからです。

    電気料金の単価に差が生まれる2つの要因について確認していきましょう。

    要因1.発電コストの違い

    一つ目は、発電方法によるコストの違いです。

    電気を作るための発電方法はいくつかあり、各電源ごとの発電コストは以下のとおりです。

    1kWhあたりの発電コスト発電コストの比較

    日本における発電コストは、LNG火力の次に原子力発電が低く、石油火力と小水力が高くなっています。

    そのため、LNG火力や原子力発電を主力としている場合は発電コストが比較的安く、反対に石油火力や水力発電の占める割合が大きい場合はコストが高くなる傾向にあります

    各電力会社の電源構成

    電気の発電にかかるコストは電源ごとに異なることについておわかりいただけたと思いますが、その内訳は各電力会社によって様々です。

    以下は、大手電力会社10社の電源構成の比率を表したデータを確認してみましょう。

    電力会社ごとの電源構成比率

    上記を見てのとおり、最も料金が低かった関西電力では「原子力発電」が、反対に最も料金が高かった北海道電力では「石炭火力発電」が大きな割合を占めています。

    ただ、なぜ発電コストの安い石炭火力発電をメインとしている北海道電力の電気料金は高いのでしょうか?

    それは次で解説する、『送電コスト』も大きく関わっているからなのです。

    要因2.送電コストの違い

    送電コスト

    電力会社は発電をしたあとに電気を供給しています。実は、この供給にかかる送電コストも電気料金の単価に影響しています

    送電コストとは、発電所から変電所までをつなぐ送電線や鉄塔の使用にかかる費用のことです。

    土地が大きいと、発電所が変電所から遠い場所に設置されることも多く、必要な送電線は長くなり、必要となる鉄塔の数も多くなるため、必然的にかかる費用も大きくなります。

    他にも要因はありますが、上記のような理由があるため、電力会社によって料金は大きく違うのです。

    今後、電気代は上がる?電気代を下げる3つの方法

    ここまで説明した通り、電気料金を構成する要素や社会的要因が電気代の増減に影響することがわかりました。

    このことを踏まえて、最後に電気料金が今後上がるのか解説してます。

    今後も電気代は上がる可能性が高い

    残念ながら、電気代は今後も上がっていく可能性が高いと考えられるでしょう。その理由としては以下が挙げられます。

    • 天然ガス(LNG)、石炭の燃料価格が高騰している
    • 再エネ賦課金が上昇傾向にある
    • 国内の電力供給が不足している

    例)再エネ賦課金の推移表

    年度 買い取り単価 昨年度比 標準家庭の負担 (300kWh/月)
    2012年度 0.22円/kWh 年額792円、月額66円
    2013年度 0.35円/kWh 0.13円(約60%) 年額1260円、月額105円
    2014年度 0.75円/kWh 0.4円(約115%) 年額2700円、月額225円
    2015年度 1.58円/kWh 0.83円(約110%) 年額5688円、月額474円
    2016年度 2.25円/kWh 0.67円(約42%) 年額8100円、月額675円
    2017年度 2.64円/kWh 0.39円(約17%) 年額9504円、月額792円
    2018年度 2.90円/kWh 0.26円(約10%) 年額10440円、月額870円
    2019年度 2.95円/kWh 0.05円(約2%) 年額10620円、月額885円
    2020年度 2.98円/kWh 0.03円(約1%) 年額10728円、月額894円
    2021年度 3.36円/kWh 0.38円(約13%) 年額12096円、月額1008円
    2022年度 3.45円/kWh 0.09円(約3%) 年額12420円、月額1035円
    2023年度 1.40円/kWh -2.05円(約59%)減⇩ 年額5040円、月額420円
    2024年度 3.49円/kWh 2.09円(約49%) 年額16752円、月額1396円

    (参考:新電力ネット

    電気料金を下げる3つの対策

    逆に言えば、上記に挙げたことと反対のことが起これば電気料金が下がるわけですが、現実的には難しいでしょう。

    電気料金を下げるには、以下の3つの対策が現実的です。

    1. 電力会社を見直す(必要があれば乗り換えを検討する)
    2. 電気料金プランを見直す
    3. 電力の消費量を見直す(節電をする)

    まとめ

    • 電気料金ランキング10社:最も料金が低いのは関西電力、料金が高いのは北海道電力
    • 季節別で見る電気代比較:最も電気代が高くなるのは

    電力会社・世帯・季節別に電気料金の平均を紹介しました。あなたの家の電気代は平均と比べていかがでしたか?

    生活する上で欠かせない電気ですが、毎月数千円でも節約できれば年間で数万円の節約になります。

    今回ご紹介したランキングや平均数値と比較してぜひ家計の見直しに役立ててみてください。

    目次