【初心者向け】V2Hとは?仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説します

「V2Hってなんなの?」
「いくらぐらいで設置できるの?」

V2Hという名前は、「クルマから家へ」を意味する「Vehicle to Home」から付けられています。その名の通り、V2Hがあれば「クルマから家へ」電気を送ることができます。

ほかにも、自宅で手軽にEVを充電できる、電気代を節約できるなど、様々なメリットがあります。

この記事では、そんなV2Hの仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説します。

基礎知識はもちろん、価格を抑えて設置できる補助金制度についても紹介しているので、気になっている人はぜひ参考にしてくださいね。

目次

V2Hとは?わかりやすく解説

V2Hとは_ニチコン

引用:ニチコン

V2Hは、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)のバッテリーから家庭に電気を供給する設備です。

V2Hを使うと「家からEV」、「EVから家」の両方向に電気を送り合うことができます。

V2Hの仕組みを簡単に解説

EVのバッテリーで使う電気は「直流」と呼ばれる電気、家庭で使う電気は「交流」と呼ばれる電気です。直流電力と交流電力は異なる性質を持っています。

  • 直流電力:一方向に一定の電流。主にバッテリーや電子機器で使用される。
  • 交流電力:定期的に方向が変わる電流。主に家庭で使用される。

そのため、EVのバッテリーに貯めた電気を自宅で使うには、直流を交流に変換する必要があります。

この変換の役割を担っているのが、V2Hです。

V2Hを設置する4つのメリット

V2Hを導入するメリットは大きく分けて4つあります。

  • 停電対策に有効
  • EVの充電費用を削減できる
  • 補助金制度を利用できる
  • 充電速度が速い

メリット1.停電対策に有効

引用:ニチコン

V2Hを購入する1つ目のメリットは、停電対策ができるところです。

EVには20~100kWhの容量のバッテリーが搭載されているので、4人暮らしの家庭でも1晩の電力を十分にまかなうことができます。

世帯人数 電気使用量(1日)
1人暮らし 6.1kWh
2人暮らし 10.5kWh
3人暮らし 12.2kWh
4人暮らし 13.9kWh

メリット2.EVの充電費用を削減できる

引用:ニチコン

V2Hシステムを利用する2つ目のメリットは、EVの充電費用を削減できるところです。

V2Hがあれば自宅でEVを充電することができます。そこで、時間帯によって料金が異なる電気代のプランに加入し、電気代の安い時間にご家庭でEVを充電すれば、EVの充電費用を下げることができます。

午前6時〜翌午前1時 午前1時〜午前6時
35.76円/kWh 27.86円/kWh

参照:東京電力のスマートライフSプランの電気料金

太陽光パネルがあるとより充電費用を抑えられる

引用:ニチコン

ご自宅に太陽光発電設備を設置している方は、発電した電気をEVに充電することができます。

太陽光発電でEVの電力をまかなうことができれば、EVの充電料金をゼロにすることも夢ではありません。

メリット3.補助金制度を利用できる

V2Hを利用する3つ目のメリットは、国や自治体による補助金制度を利用できる点です。

例えば、CEV補助金では個人で最大45万円の補助金を受け取ることができます。

補助額(個人) 機器代:33%(上限30万円)
工事費:上限15万円
補助額(事業者など) 機器代:50%(上限75万円)
工事費:上限95万円
交付条件 V2Hを新品で購入し、設置する者
申請期間 受付中〜2024/7/17
②2024年8月下旬〜

経済産業省|「V2H充放電設備/外部給電器」の導入補助金の概要

各自治体も独自の補助金制度を設けており、CEV補助金と自治体の補助金は基本的に併用可能です。

そのため、経済的な負担をさらに軽減することができます。

メリット4.充電速度が速い

200Vコンセントの2倍充電速度が速い

引用:デンソー

V2Hシステムを利用する4つ目のメリットは、家庭用の200Vコンセントの約2倍の充電速度でEVを充電できる点です。

特にニチコンのトライブリッド蓄電システムは、太陽光発電と連携して最大3.3倍の速度での充電が可能となっているので、充電速度を重視する人にはおすすめの選択肢です。

V2Hを設置する3つのデメリット

多くのメリットがあるV2Hですが、注意が必要な点もあります。

  • 全てのEVに対応しているわけではない
  • EVのバッテリー劣化が早まるおそれがある
  • EVを蓄電池として使えるのはEVが家にあるときだけ

デメリット1.全てのEVに対応しているわけではない

V2Hのメーカーや機種によって対応している車種が異なるので、V2Hを選ぶ際には、利用予定の車に対応しているかを確認する必要があります。

V2Hを使うために車のメーカーや車種を妥協しなければならない可能性がある点はデメリットと言えるでしょう。

デメリット2.EVのバッテリー劣化が早まるおそれがある


頻繁な充放電はEVのバッテリーの劣化を進めてしまう可能性があります。

これを防ぐためには、EVのバッテリー残量が0%の状態と100%の状態を避けてこまめに充電することが重要です。

加えて、EVの購入前にはバッテリーの保証期間補償内容をよく確認しましょう。

デメリット3.EVを蓄電池として使えるのはEVが家にあるときだけ

当たり前かもしれませんが、EVが家にない時にEVから家に給電することはできません。

そのため、車の使用状況に関わらず確実に電気を備えたいという方には、蓄電池の設置をおすすめします。

V2Hの導入をオススメできる人・できない人

ここまでで紹介したメリット・デメリットを踏まえるとV2Hの導入をオススメできる人・できない人は以下のようになります。

V2Hの導入をオススメできる人 V2Hの導入をオススメできない人
  • EVを所有している人
  • 停電に備えたい時間帯とEVが家にある時間帯が一致している人
  • EVの充電速度を重視する人
  • 車を利用する予定がない人
  • EVの利用状況に関わらず確実に停電対策をしたい人
  • 設置費用をとにかく安く抑えたい人

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V2Hを導入した人の口コミ

最後に、V2H利用者の肯定的な声否定的な声を見ていこうと思います。

良い口コミ

充放電をスマホのアプリで管理できる点を評価した口コミのようです。使い勝手の良さも重要ですね。

悪い口コミ

V2Hの充放電ロスに関する指摘も見つかりました。

V2Hでは、直流と交流の電気を変換する際に電気の損失が発生します。

充放電ロスの大きさやほかのメリット・デメリットを合わせて検討する必要がありそうです。

記事のまとめ

この記事では、V2Hの仕組みやメリットやデメリットについてご紹介しました。

V2Hの導入により、停電時にはEVのバッテリーを家庭の電源として活用でき、電気代の削減も可能になります。

しかし、対応車種の限定やバッテリー劣化などのデメリットもあるので、ご家庭の車の使い方を踏まえて十分に検討する必要があります。

太陽光発電とV2Hの併設やお住いの自治体での補助金についてなど、気になった点がある方はぜひお気軽にお問い合わせください。

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V2Hに関するよくある質問

ここでは、V2Hに関する、下記の質問に回答します。

  • Q1.系統連携型と非系統連携型って何?
  • Q2.特定負荷型と全負荷型って何?
  • Q3.V2Hと普通充電器・急速充電器は何が違う?

それでは見ていきましょう。

Q1.系統連携型と非系統連携型って何?

系統連携型と非系統連携型は、以下3つの電気を連係するか・しないかの違いで分けられます。

  • EVやPHEV(のバッテリー)
  • 電力会社(から送られる電気)
  • 太陽光発電(で作られる電気)

系統連系タイプ

  • 太陽光で発電した電気をEVのバッテリーに充電し、夜間に家庭へ給電することが可能
  • 停電時にも太陽光発電からEVへの充電が可能

非系統連系タイプ

  • EVから家庭に給電しているときは、電力会社や太陽光発電システムからの給電を受けられない
  • 停電時には、太陽光発電からEVへの充電ができない

Q2.特定負荷型と全負荷型って何?

特定負荷型

停電時に、電力を供給する対象が特定の機器だけに限定されます。

全負荷型

停電時でも、家電の種類に関係なく、電気を使うことができます。

特定負荷型
  • 停電時に電気の無駄な消費を防げる
  • 緊急時でも一気に電気がなくなる心配なし
全負荷型
  • 停電時も安心して普段どおり生活を送りたい方向き
  • 電気の消費量が多くなるため、電気を消費しやすい点に注意

Q3.V2Hと普通充電器・急速充電器は何が違う?

充電設備は大きく普通充電器急速充電器の2つに分けられ、以下のような違いがあります。

V2H 普通充電器 急速充電器
EVから家への給電
個人宅への設置
EVの充電時間の目安 2~3.5時間 4~7時間 15~30分
設置価格 70~200万円 10.5~45万円 100万円~
急速充電器は充電速度が速いですが、高速道路のサービスエリアやガソリンスタンドに設置されるもので、基本的に個人宅には設置できません。
普通充電器に比べるとV2Hの設置価格は高いですが、家庭用の充電設備としてはEVの充電時間が圧倒的に短いという強みがあります
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