トライブリッド蓄電池とは?価格相場やメリット・デメリットを解説

「トライブリッド蓄電池の長所・短所は?」
「いくらで導入できるの?」

トライブリッドは、太陽光発電と蓄電池、EVのバッテリーの3つの電力をまとめて制御できるシステムです。

EVを持っている人の中にはトライブリッドをご存知の方もいるかもしれませんが、その仕組みやメリット・デメリットはあまり知られていません。

そこでこの記事では、トライブリッド蓄電システム費用の相場とメリット・デメリット、おすすめの人を解説します。

目次

トライブリッド蓄電システムとは?

トライブリッド蓄電システム 設置イメージ

引用:ニチコン

トライブリッドは太陽光発電、蓄電池、EVのバッテリーの3つの電気をまとめて管理するシステムです。

太陽光発電と蓄電池の2つの電気をまとめて管理するハイブリッドシステムになぞらえて名付けられました。

広く3連携のシステムを指すこともありますが、「トライブリッド」はこのシステムを最初に販売したニチコンの製品です。

ニチコンと

毎日の暮らしから、最先端技術まで支える。

引用:ニチコン

ニチコンは、1950年に創業し長年にわたって電子部品の製造を行ってきた歴史あるブランドです。

家庭用蓄電池の国内シェアNo.1*を誇り、10機種を超える多様な蓄電池を販売しています。

設立年 1950年
経営理念 価値ある製品を創造し、明るい未来社会づくりに貢献する。
事業内容
  • 小型リチウムイオン電池
  • 家庭用・産業用蓄電システム
  • V2Hシステム
  • EV・PHV用急速充電器 など
本社 京都府
海外拠点 アジア・アメリカ・オーストラリアなど多数
ホームページ ニチコン株式会社

トライブリッド蓄電システムの3つの機器

引用:ニチコン

ここでは、トライブリッドシステムに含まれる3つの機器についてそれぞれの機能を簡単に説明します。

  • パワコン(パワーコンディショナー)
  • 蓄電池
  • V2H

トライブリッドシステムではこのすべての機器を連携させることで、発電した電気をムダなく利用できるようにしています。

トライブリッドパワコン

パワコンとは、太陽光パネルで発電した電気や蓄電池に貯めた電気(直流)を、家庭で使用できる電気(交流)に変換する機械です。

トライブリッドパワコンは太陽光と蓄電池、V2Hを使う際に必要な変換を1台で行うので、電気の損失が減るだけでなく、必要なスペースも小さくなります。

トライブリッド蓄電池

蓄電池があることで、日中に発電した電気をとっておいて夕方や夜に使用することが可能になります。

トライブリッド蓄電池には、4.9kWh、7.4kWh、9.9kWh、14.9kWhの4つの容量が用意されています。

V2Hスタンド

V2Hは「Vehicle to Home」という意味の言葉でクルマから家へ電気を送ることができる装置です。

V2HがあればEVを蓄電池のように使うことができるので、災害時にも安心な大容量の蓄電ができます

ニチコントライブリッドのV2H対応車種

 

詳細な情報はニチコンHPの対応車種一覧で見ることができます。

 

日産 リーフ、リーフe、e-NV200、アリア、サクラ
三菱 eKクロスEV、エクリプスクロス(PHEVモデル)、アウトランダーPHEV、

アイミーブ、ミニキャブ・ミーブ バン、ミニキャブ・ミーブ トラック

トヨタ プリウスPHV、bZ4X、クラウンSPORT RS、レクサスRZ450e、レクサスUX300e
スバル SOLTERRA
BYD BYD ATTO 3、BYD DOLPHIN、BYD DOLPHIN Long Range

トライブリッド蓄電システムの価格相場

ここでは、トライブリッド蓄電システムの価格相場について解説します。

蓄電池やV2Hの導入に対して国や自治体が出している補助金を利用すると導入費用を抑えることができます。

設備内容 小売価格+工事費 国の補助金適用後 実際の販売価格
  • パワコン
  • 4.9kWh蓄電池
  • V2H
435万円 297万円 さらに割安
→無料お見積りへ
  • パワコン
  • 7.4kWh蓄電池
  • V2H
495万円 384万円
それぞれの設備の希望小売価格
設備 小売価格
トライブリッドパワコン 120万円
トライブリッド蓄電池
  • 4.9kWh:120万円
  • 7.4kWh:170万円
  • 9.9kWh:240万円
  • 14.9kWh:340万円
V2H 130〜160万円

 

具体的な設置価格は販売店やご家庭の設置環境によって異なるので、補助金の活用を含めてご自宅の場合いくらで設置できるのか、気になる方はお気軽にご相談ください。

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トライブリッド蓄電システムのメリット

トライブリッド蓄電システムを導入するメリットは、3つあります。

  1. 蓄電池を後から増設できる
  2. 変換ロスを抑えて効率的に電気を使える
  3. 万が一の停電時にも安心

それぞれ詳しく見ていきましょう!

1. 蓄電池を後から増設できる

引用:ニチコン

トライブリッド蓄電システムでは蓄電池の増設、V2Hの追加が簡単です。

具体的には次の2パターンが可能です。

  • 最初に4.9kWhを導入し、増設して9.9kWhにする
  • 最初に7.4kWhを導入し、増設して14.9kWhにする

V2Hを追加する際も、設備どうしの相性を考える必要がありません。

とりあえず小さい容量から設置したい、家族構成の変化に合わせて設備を増やしたい、と考えているご家庭にぴったりです。

2. 変換ロスを抑えて効率的に電気を使える

つくった電気を「ムダなく」使える。

引用:ニチコン

太陽光発電、蓄電池、V2Hで必要な電気の変換を一台のパワコンで行うことで、電力の変換ロスを削減しています。

発電した電気を余すことなく利用できるため、とても効率的です。

後から蓄電池やV2Hを追加する場合でも、初めにトライブリッドパワコンを導入しておくことで変換ロスを抑えることができます。

3. 万が一の停電時にも安心

引用:ニチコン

トライブリッド蓄電システムを導入していると、停電中でも普段と変わらない暮らしが可能です。

停電に強いポイントは3つあります。

  1. 蓄電量が多い
  2. 家全体で電気を使える全負荷200Vタイプ
  3. 普段と変わらず電化製品が使える出力

1. 蓄電量が多い

トライブリッドシステムでは、蓄電池の電力に加え、EVのバッテリーの電力も利用することができます。

EVには小さくても20kWh、大きいと100kWh近くの電気を貯めることができるバッテリーが搭載されているので、EVのバッテリーと蓄電池を組み合わせることで、2日間~1週間分の電力を備えることができます。

また、車が手元にない時でも蓄電池で最小限の電気を確実に確保できる点も強みでしょう。

2. 家全体で電気を使える全負荷200Vタイプ

蓄電池には全負荷型特定負荷型が存在します。

全負荷型 停電時にも全ての部屋の電気、電化製品がいつも通り使える
特定負荷型 停電時には指定したエリアでしか電気が使えなくなる

トライブリッド蓄電池は全負荷200Vを標準装備しているので、冷蔵庫やエアコンなどの200Vの製品を含めて、すべての部屋で家電を使うことができます

3. 普段と変わらず電気が使える5.9 kVAの出力

トライブリッドシステムでは、停電が発生した時でも電気の使い過ぎを心配せずに家電を使うことができます。

単機能型の蓄電池だと、停電時は出力が1.5~3kVAほどに半減してしまいますが、トライブリッド蓄電システムでは出力が低下しません。

3kVAの出力でも冷蔵庫とエアコンを使いながら電子レンジを使えるくらいの大きさですが、5.9 kVAあればより普段に近い生活を送ることができま

トライブリッド蓄電システムのデメリット

さまざまなメリットがあるトライブリッド蓄電システムですが、購入する前に必ず確認してほしいデメリットが2つあります。

  • 設置場所をとる
  • 沖縄・離島、重塩害地域への設置はできない

1. 設置場所をとる

蓄電池 設置場所

パワコンとV2Hは屋外設置、蓄電池は屋内か屋外の両方に設置できます。

蓄電池は比較的コンパクトですが、増設して2台設置することになればその分のスペースが必要です。

2. 沖縄・離島、重塩害地域への設置はできない

引用:ニチコン

トライブリッド蓄電システムは沖縄・離島、重塩害地域に対応していません。

潮風は機器の性能や安全性に悪影響を与えるため、これらの地域に住んでいる人は重塩害に対応した製品を選ぶ必要があります。

トライブリッド蓄電システムはこんな人におすすめ

ここまで見てきたメリット・デメリットを持つトライブリッド蓄電システムは、以下の人におすすめです。

  • EVを利用している人・利用する予定のある人
  • 停電対策に力を入れたい人

EVを利用している人・利用予定のある人

引用:ニチコン

EVをお持ちの方がトライブリッドシステムを導入すると以下のようなメリットがあります。

  • 電気自動車の充電コストを削減できる。
  • EVに貯めた電気を家で使える。
  • 最大9.9kWのハイスピードでEVを充電できる。

バッテリー容量20kWhのEVを充電する場合、普通充電器だと3.0kWの出力で約6時間半かかるところ、約2時間で充電することができます。

停電対策に力を入れたい人

引用:ニチコン

メリットとしてお伝えしましたが、トライブリッド蓄電システムには以下のような強みがあるので停電対策に力を入れたい人におすすめです。

  • 蓄電池とEVのバッテリーによる蓄電で、2日間~1週間分の電力を確保
  • 全負荷200V対応で、家全体でいつも通りの家電使用が可能

停電時にも冷暖房や明かりのある環境を維持したい人、パソコンや医療機器の電力を確保したい人には、心強い選択肢となるのではないでしょうか。

トライブリッド蓄電システムの製品仕様

より詳しく確認したい方はカタログをご覧ください。

蓄電池ユニット/増設ユニット

容量 4.9kWh 7.4kWh
型番 ES-T3S1(蓄電池ユニット)
ES-T3L1(増設ユニット)
ES-T3M1(蓄電池ユニット)
ES-T3X1(増設ユニット)
電力変換効率 95%以上 95%以上
寸法
(横×高さ×奥行き)
540mm×418mm×230mm
電池の種類 リチウムイオン蓄電池
メーカー保証
15年無償保証
メーカー希望小売価格 120万円 170万円
特徴
  • 全負荷型(200V対応)
  • 2台目の増設で9.9kWhへ
  • 全負荷型(200V対応)
  • 2台目の増設で14.9kWhへ

トライブリッドパワコン®

型番 ES-T3
寸法
(横×高さ×奥行き)
685mm×648mm×239mm
定格出力 系統連携時 5.9 kW
自立 5.9 kVA
変換効率

太陽光(放電時) 95%(定格出力時)
蓄電池(放電時) 94%(定格出力時)
EV(放電時) 91%(定格出力時)
メーカー保証
15年無償保証
メーカー希望小売価格 120万円

V2Hスタンド、V2Hポッド™

一体型(7.5m) セパレート型(3.5m) セパレート型(7.5m)
型番 ES-T3V1 ES-T3P1 ES-T3PL1
寸法
(横×高さ×奥行き)
スタンド 520mm×1180mm×260mm
ポッド 170mm×430mm×173mm
最大充電出力 9.9kW
メーカー保証 15年無償保証
メーカー希望小売価格 130万円 150万円 160万円

まとめ

この記事ではトライブリッド蓄電システム価格相場メリット・デメリットについてご紹介してきました。

停電に強い大容量の蓄電暮らしの変化に合わせた設備の変更ができるトライブリッド蓄電システムは、EVをお持ちの方、EVの利用を検討している方には大変魅力的なシステムだと言えます。

ご家庭の設置環境や補助金の活用を含めていくらで設置できるのか、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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