「蓄電池を後付けで気をつけることは何…?」
「後付けして後悔することがあるの?」
蓄電池を後付けするときは、設置場所やパネルとの相性、性能などのポイントに注意しなければ『後悔する』ことがあります。
また、蓄電池の設置にはコストの問題もあるので、適切に選ばなければ「損をした…」となる可能性があるでしょう。
そこでこの記事では、蓄電池を後付けするときに確認すべき2つのポイントや蓄電池の選び方について解説します。
先にポイントだけお伝えすると、次の2つをしっかりと確認しましょう。
- 太陽光発電のパワコン年数
- 設置スペース
これを読むことで、適切な蓄電池の設置やそれによって電気代の削減ができるので、より快適な生活を送れるでしょう。
ぜひ参考にしてくださいね。
蓄電池の後付けで確認すべき2つのポイント
まず、蓄電池を後付けするときに確認すべきポイントは次の2つです。
- 太陽光発電のパワコン年数
- 設置スペース
蓄電池を後付けする場合は、ポイントを押さえておかないと故障などによってのちに費用がかかり、後悔する…といったことがあるので、かならず確認してください。
ポイント1.太陽光発電のパワコン年数
蓄電池を後付けするときに、太陽光発電のパワコンも変更するのか、そのまま変更せずに付けておくか選択する必要があるので、まずは年数を確認しましょう。
パワコンの寿命は経済産業省によると、15〜20年なので、もしあなたがパネルを付けてから15年ほど経つ場合は、パワコンごと変更できる『ハイブリッド型の蓄電池』がおすすめです。
逆に年数が浅い場合は、できるだけシステムをいじらないほうがいいため、パワコンをそのままにしておける『単機能型の蓄電池』がいいでしょう。
まずは、太陽光発電のパワコン寿命から考えて、ハイブリッド型か単機能型どちらが家庭に向いているのかを確認してください。
パワーコンディショナー(パワコン)とは
引用:ニチコン
そもそもパワーコンディショナーとは、太陽光発電で作った電力を家で利用できる電力に変換する装置のことで、『パワコン』と呼ばれています。
蓄電池を後付けする際は、太陽光のパワコンをそのまま使う「単機能型」にするか、それとも蓄電池と一体になる「ハイブリッド型」にするのか選ぶ必要があります。
それぞれの特徴に関しては、後ほど解説しています。先に知りたい方はこちらから確認してください。
太陽光パネルと違うメーカーでも後付けできる
また蓄電池は、太陽光パネルと同じメーカーではなくても後付けできる場合がほとんどです。
ただし、注意点として「ハイブリッド型の蓄電池」を太陽光と別メーカーで設置する場合、パワコン部分も変更になるので、保証が外されるリスクがあります。
一方で、「単機能型の蓄電池」を後付けするときは、2台のパワコンを使うことになるため、発電効率が5%ほど低下するという点には注意してください。
ポイント2.設置のスペースが必要
※屋外なら日陰の設置スペースが必要
次に確認しておくべきポイントは、蓄電池を後付けするときに屋外・屋内ともに十分な設置スペースを確保しなければならないという点です。
もし、スペースがないと安全性が確保できてないとみなされ、設置ができない可能性もあります。
これは蓄電池だけでなく、配線や保護器具などの周辺機器も設置する必要があるため、スペースを確保しなければなりません。
屋外設置の場合、十分なスペースだけでなく、熱による劣化や故障を防ぐためにも日陰や風通しの良い場所が必要になります。
屋内の場合は、蓄電池だけでなく、防火壁や防水床を設置することもあるので、さらにスペースが必要になることがあるでしょう。
不安な方には小型サイズの蓄電池がおすすめ
もし、あなたが「屋外に置けるスペースがない…」「部屋に大きな蓄電池は置けなさそう…」と不安に思っているなら、小型サイズの蓄電池を選びましょう。
小型の蓄電池の場合だと、そこまでスペースを取らずに屋内設置できるものもありますし、屋外でも壁面やベランダなどに取り付けられます。
ただ容量は小さくなってしまいますが、停電時にも電力供給できますし、普段使いとして電気代の節約にも役立ちます。
後付け時に知るべき蓄電システムの種類
前の章でもお伝えしましたが、蓄電池には大きく分けて単機能型とハイブリッド型の2種類があります。
この章では2種類のシステムに関して、特徴を解説していきます。
単機能とハイブリッドの特徴まとめ
項目 | 単機能(フレキシブル)型蓄電池 | ハイブリッド型蓄電池 |
パワコン | 独立 or 内臓 | 太陽光発電と一体 |
価格 | 安い | 高い |
出力 | 低い | 高い |
それぞれの特徴とメリット・デメリットについて、詳しく見ていきましょう。
単機能(フレキシブル)型の蓄電池
単機能型の蓄電池は、パワコンが独立して用意されているタイプです。
パワコン交換がいらないので工事費用を抑えられます。またハイブリッド型と比べて本体価格も安いところが特徴です。
ただし、ハイブリッド型よりも変更効率・出力が低くなってしまうところや、蓄電池とパワコンユニットの2台を設置しなければならないというデメリットがあります。
ハイブリッド型の蓄電池
ハイブリッド型の蓄電池は、太陽光発電のパワコンと一体型の蓄電池です。
単機能型のようにパワコンが2つもいらないので、余計なロスを抑えられることから発電効率が良いところが特徴的です。
ただ、デメリットとしては単機能型に比べるとどうしても価格が高くなってしまうので、費用がよりかかってしまうでしょう。
結局どれがいいの?後悔しない蓄電池の選び方を解説
ここまで読んでみて、後付け時に確認すべきポイントはご理解いただけたと思いますが、「じゃあ結局どれを選べばいいの…?」と思いますよね。
そこでこの章では、「後悔しない蓄電池の選び方」を解説!蓄電池は価格だけで選ばず、次のポイントを押さえましょう。
- ハイブリッド型か単機能型を選ぶ
- 全負荷型か特定負荷型を選ぶ
- 蓄電容量を決める
- 保証内容を確認する
- 適切な設置場所を選ぶ
- 最後に価格を確認する
上記の順番で内容を確認していけば、後悔しにくい蓄電池を選ぶことができるでしょう。
(1)ハイブリッド型か単機能型を選ぶ
何度もお伝えしましたが、まずはハイブリッド型か単機能型を選びましょう。
種類 | 特徴 | おすすめの人 |
ハイブリッド型 |
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単機能型 |
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上記でもお伝えしましたが、ハイブリッド型を設置する場合は、既存のパワコンを交換しないといけないので、メーカー保証が外されることがあります。
そのため、基本的には寿命の目安である10〜15年が経過しているかで判断することをおすすめします。
(2)全負荷型か特定負荷型を選ぶ
次に決めるべきことは、全負荷型と特定負荷型のどちらを選ぶかです。
種類 | 特徴 | おすすめの人 |
全負荷型 |
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特定負荷型 |
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全負荷型の蓄電池は、停電時にすべての部屋で家電を使用できますが、価格が高くなります。なので、停電時にもすべての部屋で電力を確保したい人に向いています。
一方で特定負荷型は、停電時に使用する家電をあらかじめ決める必要があり限定的ですが、価格が安くなるというメリットがあります。
停電時での便利さを取るのか、それとも価格を取るのか、ご家庭の状況に合わせて決めるといいでしょう。
(3)蓄電容量を決める
次に決めるべきことは、『蓄電池の容量』です。もちろん蓄電池は一度に貯められる電気量に限界があるので、ご家庭の電気使用量と照らし合わせて決めてください。
目安は、次を参考にしてください。
世帯人数 | 電気代(目安) | おすすめの容量 |
1人暮らし | 5,791円 | 3〜5kWh |
2人暮らし | 9,515円 | 5〜7kWh |
3人暮らし | 10,932円 | 7〜9kWh |
4人暮らし | 11,788円 | 9〜11kWh |
もちろん蓄電容量は大きければ大きいほど、停電時に長く使用できたり、自家消費できる電力が増えます。
しかし、容量が大きいほど蓄電池の価格やサイズも大きくなります。なので、ご家庭での電気使用量に合わせて適した容量を選んでください。
(4)保証内容を確認する
次に確認して欲しいポイントが「保証内容」です。蓄電池は長期間にわたって使用するため、故障や性能低下などのトラブルが発生する可能性があります。
そのため、何かあったときに追加費用がかからないように、保証期間が長い蓄電池を設置しましょう。おすすめは15年保証が付いているメーカーです。
また、保証は以下のような点もチェックしておいてください。
- 製品・容量の両方の保証期間
- 自然災害保証
- メンテナンス
(5)適切な設置場所を選ぶ
こちらも前の章でお伝えしましたが、蓄電池はサイズが大きいものが多いので、十分な設置スペースが確保できるか確認しておきましょう。
以下のポイントをチェックしておけば、設置場所に困ることは少なくなります。
- 屋内か屋外かを決める
- 風通しの良い場所があるか
- 十分なスペースがあるか
最後に!価格・費用だけで選ぶのはおすすめしない
蓄電池には性能やサイズ、工事方法などがメーカーや製品によって違うため、「とりあえず安い製品を買おう!」という発想で価格だけを見て選ぶのはおすすめしません。
蓄電池で後悔するパターンとしては、価格だけを見て買った結果…
- 保証が充実しておらず追加費用がかかった
- 安いだけがウリの販売店で買い、5年後倒産していて連絡が取れない
- 工事がガサツで後々問題が起きた
といった事例がかなり多いので、必ず性能や保証など価格以外の内容も重視して選んでください!
蓄電池を後付けするときによくある質問
Q1補助金は出るの?申請方法は?
後付け蓄電池には、国や地方自治体から補助金が出ます。
たとえば、子育てエコホーム支援事業では64,000円を受け取れますし、東京都では6.34kWh未満は上限95万円の補助金が出されています。
一般的にこれらの補助金を受けるためには、事前に申請書を提出し、設置後に検査や報告書の提出が必要です。
補助金の額や条件、申請方法や必要書類は、地域や年度によって異なりますので、詳しくはこちらからお問い合わせしてください。
Q2.後付けだと配線はどうなるの?
後付け蓄電池を設置する場合、太陽光発電システムと蓄電池を接続するために配線工事が必要です。
配線工事の方法や費用は、もちろん条件によって異なりますが、基本的には同時設置よりも値段が高く、時間もかかることが多いです。
Q3.後付けでの工事費用はいくら?
後付けの場合、蓄電池の設置工事・配線工事の2つが必要になります。
こちらも費用は条件によって異なるため、詳しくはこちらから見積もりのお問い合わせをしてください。
ちなみに、見積もりでは、本体価格や設置費用、配線工事費用、保証や保守費用などが含まれているかどうか確認しておくとよいでしょう。
記事のまとめ
蓄電池を後付けすることで、電気代の節約や停電時の対策ができます。しかし、設置には多くのポイントがあります。
蓄電池を後付けする際には、太陽光パネルと違うメーカーでも設置できるか、設置のスペースは確保できるか、太陽光発電のパワコン年数はどの程度まで経過しているかを確認することが重要です。
また、蓄電池システムには、単機能型とハイブリッド型の2種類があり、それぞれの特徴やメリットを知った上で決定しましょう。