蓄電池の適した設置場所は?設置条件やかかる費用をまるっと解説|2024年版

蓄電池 設置場所

「蓄電池の設置場所はどこ?」
「屋内と屋外はどっちがいいの?」

蓄電池は適切な場所に設置しないと寿命が短くなったり、性能を最大限に引き出すことが難しいです。

そこでこの記事では、蓄電池のよくある3つの設置パターン設置場所の条件について詳しく解説します。

先におすすめの設置場所をお伝えすると、『耐久性を重視』するなら屋内『メンテナンス・工事のしやすさ』を重視するなら屋外がいいでしょう。

また、「設置場所がなくて悩んでいる…」という方に向けたおすすめの蓄電池も紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。

目次

あなたはどれに当てはまる?蓄電池の設置パターン

蓄電池 設置場所

まずはあなたのご家庭がどんな設置パターンに当てはまるのか確認しましょう。

蓄電池を設置するとき、太陽光発電パネルがすでに設置されているかどうか設置のしやすさが変わったり、そもそも設置できる蓄電池が無いこともあります

設置パターン 設置のしやすさ
太陽光とセットで新規設置 設置しやすい
太陽光に追加設置 設置が難しい
蓄電池のみの設置 かなり設置しやすい

ここでは、太陽光発電の設置の有無によって蓄電池の設置にどのような影響を与えるのかをそれぞれ解説します。

パターン1.新しく太陽光発電と一緒に設置

太陽光発電と蓄電池を一緒に設置するパターンの場合、簡単かつ工事費用も抑えられる可能性があります。

また、両方同時に設置するパターンも作業時間が短縮できるのでメリットが大きいでしょう。この場合は、配置・配線を考えつつ家全体から適切な設計が最初から行えるので、ムダを減らせます。

また、同時設置パターンは割引を受けられたり、より効率的に管理できる組み合わせを選べるため、簡単かつメリットの多い方法と認識していいでしょう。

パターン2.既存の太陽光発電に追加設置

すでに太陽光パネルを設置しており、追加で蓄電池を設置するパターンの方は、考えることが多くなるためすこし面倒に感じる可能性があります。

たとえば、蓄電池と太陽光パネルの互換性を考えたり、配置によっては追加で配線工事が必要となり置く場所も限られたりすることがあるためです。

単機能型とハイブリッド型で設置方法は違う

さらに、蓄電池には単機能型とハイブリッド型の2種類があり、設置の方法が異なります。

ハイブリッド型は太陽光パネルのパワーコンディショナーと接続する必要があるため、メーカーや型番が異なる場合、うまく機能しないことがあります

ただ、単機能型は新たにパワコンを追加設置するだけなので楽なものの、追加パワコンの設置場所を確保する必要があったり、配線工事が別途必要になります

パターン3.蓄電池のみの設置

太陽光パネルが設置されていないご家庭で蓄電池のみを設置するパターンは、もっとも簡単ですがメリットが少ないのでそもそもおすすめできません。

ただ、設置場所が限られている人にとっては、小型でスペースを取らないタイプやポータブル蓄電池などであれば災害対策には期待できるでしょう。

蓄電池の設置場所は「屋内」と「屋外」の2パターン

蓄電池 設置場所
引用:ニチコン

ここまでで、設置パターンについてご理解いただけたと思いますが、次に「家の中か外」どちらに置くべきかを解説していきます。

蓄電池の設置場所には「屋内設置」と「屋外設置」の2パターンありますが、まずはそれぞれのメリット・デメリットを確認してみましょう。

  メリット デメリット
屋内
  • 耐久性が高くなる
  • 安全性が向上する
  • 外観に影響なし
  • 屋内が狭くなる
屋外
  • 屋内が狭くならない
  • 配線工事が簡単
  • メンテナンスしやすい
  • 耐久性が低下しやすい

屋内設置は、直射日光・雨を受けることがないので劣化を防ぎやすく、「長い年月使いたい!」という方におすすめです

一方で屋外設置は、部屋に蓄電池を置く必要がないため、部屋のスペースをそのまま確保したい方におすすめといえるでしょう

ここからは、それぞれの条件やメリット・デメリットを詳しく紹介します。

蓄電池を「屋内設置」する3つの条件

蓄電池を屋内設置したい場合は、安全性を確保するために以下の条件を満たす必要があります。

  1. 熱や湿気がこもりにくい
  2. 直射日光や雨水が当たらない
  3. 十分な空間が確保できる

くわしく解説していきますね。

条件1.熱や湿気がこもりにくい

まず一つ目に注意すべきポイントは、「熱や湿気のこもりにくい場所を確保しないといけない」という点です。

一般的に、家庭用蓄電池は『0℃〜40℃』の範囲で使用することがメーカーから推奨されています。

たとえば、シャープの蓄電池は推奨温度が「0℃〜+ 40℃」となっており、この範囲を超えると保護機能が働いて機能が制限されることがあります

そのため、蓄電池を屋内に設置する場合には、エアコンや除湿機などを使用して室温や湿度を適切に管理できる場所が好ましいでしょう

条件2.直射日光や雨水に当たらない

屋内に設置する場合でも、直射日光雨水に気をつける必要があります。

直射日光が当たると、蓄電池は過熱して容量の低下熱による故障を引き起こしてしまう可能性があります。また窓付近の設置は雨水がかかる可能性もあるので、候補から外すべきでしょう。

また、万が一にも「自然災害で大雨に晒されてダメージを受けて使えない…」なんてことがないように、場所選びは慎重に行いましょう。

条件3.周囲に十分な空間を確保できる

操作点検のしやすさといった点からも一定の空間スペースは必要です。

そもそも蓄電池などの「非常用発電機設備」には操作のために1.0m、点検のために0.6mの空間を開けるよう決められています

また、床や壁は『70〜120kg』ほどに耐えられるように基礎を作る必要があるため、十分な空間がないと屋内に設置できません。

場所や空間の確保を怠ると、蓄電池の冷却効率や安全性は低下する可能性がありますし、故障や事故の原因となる可能性があります。

屋内設置のメリット・デメリットまとめ

蓄電池を屋内設置する場合は、次のようなメリット・デメリットがあります。

メリット デメリット
  • 耐久性を高められる
  • 安全性を向上できる
  • 外観に影響なし
  • 屋内スペースが必要
  • 火災の危険性がより高まる

屋外設置に比べると、気温や湿度、雨風などの自然環境に影響されにくくなるのは大きなメリットでしょう

さらに建物内だと、室内の温度や湿度を一定に保ちやすいため、劣化を抑えられやすいですし、ホコリやゴミの汚れが少ないので清掃やメンテナンスも簡単です。

また、家の外観を気にしている方にもおすすめです。

蓄電池を「屋外設置」する3つの条件

屋外に設置する場合は、以下の条件を満たす必要があります。

  1. 雨や雪などがかかりにくい
  2. 気温変化に影響を受けない
  3. 適切なスペースを確保できる

ここからは、より詳しく条件について説明します。

条件1.雨や雪などがかかりにくい

屋外設置する場合、防水性の高いケースに蓄電池を入れることが多いですが、完全に守りきることはできません

もし、雨や雪が直接かかってしまった場合、最悪のケースだと発火や感電を引き起こしてしまう可能性があります。

そのため、蓄電池を屋外に設置する場合は、基礎工事を実施できて、周囲に一定のスペースを確保して雨や雪がかかりにくい場所に設置しましょう。

条件2.気温変化に影響を受けない

蓄電池は、5℃〜35℃の気温で置かれていることが重要なので、直射日光を受けない・野ざらしになっていない場所を選ばないといけません

高温、もしくは低温が続くと、蓄電池の性能や寿命が低下したり、故障したりするリスクが高まりやすいです。

そのため、屋外設置の場合は、より直射日光を避けられて風通しのよい場所を探す必要があります。

条件3.適切なスペースを確保できる

屋内と同様、屋外に設置するときも適切なスペースを確保できる場所が必要です。

場合によっては、子どもやペットが触れてしまわないよう、蓄電池を囲う柵やカバーなどの保護措置を取ることも必要になるでしょう

屋外設置のメリット・デメリット

屋外設置のメリット・デメリットは、次のとおりです。

メリット デメリット
  • 配線工事が簡単
  • メンテナンスがしやすい
  • 耐久性が低下しやすい
  • 故障や騒音に注意が必要

屋外に設置する場合、屋内にスペースを確保する必要がなくなり、屋内に配線を伸ばす必要がなくなることから設置工事が簡単になるのが大きなメリットです

さらに、定期的な点検・メンテナンスの際には、作業中に発生する騒音やホコリなどを気にしなくてよく、作業者に屋内へ入ってもらう必要もありません。

屋外で一定のスペースを確保できる場合は、室内環境と配線・メンテナンス性を高められる点でおすすめといえます。

設置条件が厳しくても置きやすいおすすめ蓄電池3選

ここまでの設置条件を踏まえた上で、もし条件が厳しくても置きやすいおすすめの蓄電池をそれぞれ紹介します。

屋外・屋内両方対応:ニチコン

ニチコン
引用:ニチコン

ニチコンは、京都に本社を置く蓄電システムを手がける大手メーカーです。

おすすめな蓄電池としては、屋内と屋外のどちらにも設置できて、薄型かつ重量が軽い「ES-T3S1」

5.9kVAという高い出力と全負荷200Vの安定性がお手頃な価格で手に入り、無償で15年の保証がついているため、長期間でも安心して利用できます

さらに「-10〜40℃」の対応温度で、寒冷地でも使いやすく、4.9kWhと7.4kWhを組み合わせて容量をカスタマイズできるので幅広いニーズに対応できます。

メーカー ニチコン
型番 ES-T3S1
容量 4.9kWh
サイズ 540×418×230mm
重量 50kg

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スペースが狭くてもコンパクトで置きやすい:オムロン蓄電池

オムロン
引用:オムロン

オムロンは、高い耐久性使いやすさが確保された蓄電池を手がけるメーカー。

コンパクトでスペースが狭くても置きやすい「KPBP-Aシリーズ」は、屋内外のどちらにも対応できる薄型な蓄電池です

コンパクトでありながらも、16.4kWhという大容量な蓄電池を最小サイズを実現しているので、できるだけ蓄電容量を確保したい方にもピッタリでしょう。

また、簡易基礎での設置にも対応しているため、できるだけスペースを抑えて素早く導入したい際にもおすすめです。

メーカー オムロン
型番 KPBP-Aシリーズ
容量 6.5kWh
サイズ 490×847×147 mm
重量 65kg

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重塩害地域にも対応:オムロン蓄電池

住・産共用フレキシブル蓄電システム KPAC-Bシリーズ

引用:オムロン

オムロンの「KPAC-Bシリーズ」は、さらに耐久性に優れており、重塩害地域(海岸および汽水域から500m)でも安心して使える蓄電池です

蓄電容量は小さいですが、1日2サイクルの利用で8.4kWh相当の力を発揮し、1日1.5サイクルの蓄電池と比べて2.2倍の容量を確保できる優れものです。

蓄電池の動作状態は常にスマホ等で監視でき、突然の故障にも迅速に対応できるほか、15年間の保証で無償修理を受けながら長く使えます。

メーカー オムロン
型番 KPAC-Bシリーズ
容量 4.2kWh
サイズ 530×455×215mm
重量 62kg

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蓄電池の設置場所に関するよくある質問

家庭用蓄電池の設置までの流れは?

家庭用蓄電池を設置するまでの流れは、以下のとおりです。

工程 内容
1. 現地調査 設置場所や配線の取り回しを確認し、
搬入経路を確保する
2. 基礎工事 蓄電池の重さに耐える基礎を作る
3. 蓄電池と周辺機器の取付 蓄電池本体と周辺機器を取り付ける
4. 配線工事 蓄電池から家庭の電気回路に
電力を供給するための配線を行う
5. 蓄電池の設定と最終確認 蓄電池の設定を行い、
全ての工事が正しく完了したことを確認

配線工事等は専門的な知識と技術を必要とするため、通常は専門の業者に依頼しましょう。

蓄電池の設置(工事)費用はどれくらい?

蓄電池の設置費用は、製品費用と工事費用に分かれます。

工事費用込みでかかる費用の目安は、5kWh程度の蓄電池で100万円前後、8kWh程度の蓄電池で150万円程度です

また、蓄電池の導入には補助金を利用できるため、活用することで負担を軽減できます。

ただし、補助金の申請には一定の条件がありますので、詳細は各自治体や関連機関のウェブサイト等で確認してください。

記事のまとめ

蓄電池は、気温や湿度、雨風などの自然環境に影響されるため設置条件には注意が必要です。大きさや重量に合わせて、十分なスペースや耐荷重性を確保しましょう。

蓄電池には、屋内・屋外に設置できるニチコン、コンパクトでスペースが狭くても置きやすいオムロン蓄電池などがあります

気になった蓄電池があった場合は、ぜひ30秒で終わる見積もり依頼をしてみてくださいね。

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