「エコキュートは入浴剤を使ったらダメなの?」
「エコキュートでも使える入浴剤は?」
「エコキュートは入浴剤が使えない」という話はよく耳にしますが、それは誤りです。実際には、すべてが使用不可というわけではなく、推奨されている入浴剤もあります。
ただし、メーカーや機種によっては故障の原因になるためおすすめできない入浴剤もあります。
そこでこの記事では、メーカー別の「安心して使える入浴剤」と「おすすめしない入浴剤」の紹介や、エコキュートに入浴剤を使用するときの注意点をわかりやすく解説します。
エコキュートに入浴剤は使える?
エコキュートに使える入浴剤は、機種や入浴剤のタイプによって異なります。
セミオートタイプ、もしくは給湯専用のエコキュートであれば、すべての入浴剤を使うことができます。
一方で、追いだき機能のあるフルオートタイプでは、使用できる入浴剤に制限があります。
エコキュートのタイプ | 使える入浴剤 |
フルオート | 制限あり |
セミオート | 制限なし |
給湯専用 | 制限なし |
フルオートタイプだけ入浴剤に制限があるのはなぜ?
エコキュートのフルオートタイプには追いだき機能が搭載されているため、配管内でお湯を循環させます。
この循環するお湯に入浴剤が混ざっていると、配管内に入浴剤の成分が溜まってしまい、配管やヒートポンプを詰まらせる原因となります。
特に、にごり湯タイプやミネラル成分が多い入浴剤は配管に詰まりやすいため、エコキュートの性能低下や故障、寿命を縮める可能性があります。
フルオートタイプで入浴剤を使う際は、必ずメーカーが推奨する入浴剤を選び、使用後は洗浄機能を使って配管内に汚れを溜めないことが重要です。
【メーカー別】エコキュートで使ってもいい入浴剤は?
フルオートタイプのエコキュートで使用可能な入浴剤は、メーカーや機種によって異なります。ここでは、主要メーカー6社の推奨入浴剤と特徴を詳しく解説します。
基本的に、すべてのメーカーで共通して推奨されている入浴剤は、透明タイプの以下の商品です。
- バブ(透明タイプ):花王
- バスロマン(透明タイプ):アース製薬
- バスクリン(透明タイプ):バスクリン
その上で、各メーカーの代表的な特徴をまとめました。
メーカー | 特徴 |
三菱電機 | 「薬用あわ入浴剤ボトルタイプアンパンマン」に対応 「アロマルセットボディウォッシュ&バブルバス」に対応 |
ダイキン | にごり湯にも対応 |
パナソニック | クラシエの「旅の宿」に対応 |
日立 | バスクリンの「きき湯」に対応 |
コロナ | アース製薬の「温包」に対応 |
東芝 | 花王の「マイクロバブ」に対応 |
メーカーごとの使用できない入浴剤もまとめていますので、気になるメーカーの詳細を確認してみましょう。
三菱電機の推奨されている入浴剤・使用できない入浴剤
三菱電機では、発売年数によって推奨される入浴剤が異なります。
推奨入浴剤
2010年以降発売のもの | バブ(にごりタイプ、シリカパウダー含有タイプを除く) |
2018年以降発売のもの | バスロマン(にごりタイプを除く) |
バスクリン(にごりタイプを除く) | |
Pシリーズのみ | 薬用あわ入浴剤ボトルタイプアンパンマン |
アロマルセットボディウォッシュ&バブルバス |
使用できない入浴剤
- 炭酸ガスにより発泡させるもの
- 炭酸カルシウムを含むもの(にごり湯状にさせるもの)
- 硫黄成分が含まれるもの
- 塩化ナトリウムを含むもの
- シリカ成分(無水ケイ素)を含むもの
ダイキンの推奨されている入浴剤・使用できない入浴剤
ダイキンでは、多くのメーカーで推奨されていないにごり湯タイプも使用できます。
推奨入浴剤
花王 | バブ(にごり湯タイプにも対応) |
アース製薬 | バスロマン・温包 |
バスクリン | バスクリン・きき湯・ソフレ・日本の名湯 |
使用できない入浴剤
- 酸・アルカリ・硫黄・塩などを含むもの
- 温泉水を含むもの
パナソニックの推奨されている入浴剤・使用できない入浴剤
パナソニックで推奨されている入浴剤は以下の通りです。クラシエの「旅の宿」も使用できます。
推奨入浴剤
花王 | バブ(にごりタイプ、パウダー配合を除く) |
アース製薬 | バスロマン(にごりタイプを除く) |
バスクリン | バスクリン・きき湯(にごりタイプを除く) |
クラシエ | 旅の宿(にごりタイプを除く) |
使用できない入浴剤
- 発泡系、バスバブル、石鹸(浴そう内)など
- 生薬(葉、茎など固形のもの)
- ミルク成分配合やとろみ系のもの
- 硫黄、酸、アルカリ、塩分を含んだもの
日立の推奨されている入浴剤・使用できない入浴剤
日立で推奨されている入浴剤は以下の通りです。バスクリンの「きき湯」も使用できます。
推奨入浴剤
花王 | バブ(にごりタイプを除く) |
アース製薬 | バスロマン(にごりタイプを除く) |
バスクリン | バスクリン・きき湯(にごりタイプを除く) |
使用できない入浴剤
- 発泡するタイプやシリカパウダー、硫黄、酸、アルカリ、塩分を含むもの
- お湯のにごるタイプやとろみ系
- 生薬(葉・茎など固形のもの)
コロナの推奨されている入浴剤・使用できない入浴剤
コロナで推奨されている入浴剤は以下の通りです。コロナでは、アース製薬の「温泡」も使用できます。
推奨入浴剤
花王 | バブ(にごりタイプを除く) |
アース製薬 | バスロマン・温包(にごりタイプを除く) |
バスクリン | バスクリン・きき湯(にごりタイプを除く) |
使用できない入浴剤
- 炭酸ガスにより発泡させるもの
- 硫黄、酸、アルカリ、塩分を含んだもの
東芝の推奨されている入浴剤・使用できない入浴剤
東芝で推奨されている入浴剤は以下の通りです。花王のマイクロバブも使用できます。
推奨入浴剤
花王 | バブ・マイクロバブ(にごりタイプを除く) |
アース製薬 | バスロマン(にごりタイプを除く) |
バスクリン | バスクリン・きき湯(にごりタイプを除く) |
使用できない入浴剤
- 硫黄、酸、アルカリ、塩分、ミルク成分を含むもの
- 浴槽に沈殿物(にごり成分)が残るもの
- 生薬(固形のもの)
- 発泡系のもの
エコキュートで入浴剤を使うときの注意点
メーカーが推奨している入浴剤でも、使い方を間違えるとエコキュートの故障を招く可能性があります。
長く快適に使うためには、以下の2点に注意してください。
1. 自動配管洗浄を「入」、「ON」に設定する
フルオートタイプには、排水時に配管を自動で洗浄してくれる機能がついています。
入浴剤を使った後は、配管内に入浴剤の成分が付着しやすくなるため、排水前に自動配管洗浄が作動するように設定しておきましょう。
2. 入浴剤を使用した残り湯を循環洗浄に使わない
エコキュートでは、「循環洗浄」機能を使って追いだき配管を清掃できます。
ただし、入浴剤を使用した残り湯を使って循環洗浄を行うことは避けてください。
入浴剤の成分が影響し、洗浄効果が低下するだけでなく、配管に入浴剤がたまりやすくなるからです。
以上の2点に注意しておけば、入浴剤を使いながら快適にエコキュートを利用できるでしょう。
エコキュートに非推奨の入浴剤を使ってしまった時は?
もし非推奨の入浴剤を使ってしまった場合は、普段よりも念入りに配管と浴槽フィルターを洗浄しましょう。
配管の洗浄
配管は、自動洗浄に加えて、より洗浄効果の高い手動での「循環洗浄」を行うことをおすすめします。
- 入浴後、自動運転を「切」に設定する
- お湯を浴槽アダプターの10センチ上まで張った状態で洗浄剤を入れる
- 浴室リモコンの「洗浄」ボタンを押して、洗浄を開始する
参考としてこちらの手順書を紹介します。機種によって異なる点もありますので、詳細は各取扱説明書をご確認ください。
浴槽フィルターの洗浄
浴槽フィルターは取り外し、シャワーや洗剤を使って丁寧に汚れを洗い流してください。
非推奨の入浴剤の成分は、配管やフィルターに溜まりやすく、放っておくとエコキュートの劣化を早めてしまいます。
エコキュートの寿命を縮めないよう、適切に対処しましょう。
【目的別】エコキュートでも使えるおすすめの入浴剤
ここでは、先ほど紹介した推奨されている入浴剤の中から、目的別におすすめの入浴剤を3つ紹介します。
- 発泡系が使いたい!疲れを取りたい人に
- しっかり保湿したい、乾燥肌さんに
- 肩こりや腰痛、疲労回復に
発泡系が使いたい!疲れを取りたい人には【モンスターバブルシリーズ】がおすすめ
炭酸ガス系のモンスターバブルは、疲れを取りたいときにおすすめの入浴剤です。
発泡系の入浴剤は、多くのメーカーで非推奨ですが、バブのモンスターバブルはエコキュートでも使用できます。
炭酸ガスの入浴剤は、血行を良くして新陳代謝を高める効果があるため、疲れがとりやすくなります。
※モンスターバブルのNIGHTモードは対象外です。
しっかり保湿したい、乾燥肌さんには【バスロマン 温浴タイプ】がおすすめ
保湿成分を含むバスロマンの温浴タイプ(にごり湯タイプを除く)は、乾燥肌の人におすすめです。
エコキュートでは一部の成分が配管を傷める可能性があるため、ミルク成分を含む入浴剤(バスミルクなど)は推奨されません。
そんな中で、バスロマンの温浴タイプは、エコキュートでも安心して使える入浴剤としておすすめです。
保湿成分が配合されているため、お肌に潤いを与えながら、エコキュートの配管にも優しい設計になっています。
肩こりや腰痛、疲労回復には【きき湯シリーズ】がおすすめ
温泉のミネラル成分と炭酸ガスが特徴のきき湯(にごり湯タイプを除く)は、肩こりや腰痛、疲労回復に効果的です。
小さな粒状になっているため、浴槽の大きさや湯量に合わせて簡単に調節できるのも便利なポイントです。
ただし、一部のメーカーでは推奨品として指定されていない場合があるため、注意が必要です。
この記事のまとめ
この記事では、エコキュートで推奨されている入浴剤の種類や、避けるべき入浴剤について解説しました。
さらに、入浴剤を使用するときの注意点として、配管内に入浴剤の成分が残らないメンテナンス方法についてもご紹介しました。
フルオートタイプのエコキュートでも、推奨されている入浴剤を選び、正しい使い方を守れば安心して利用することができます。
ただし、正しく使用していたとしても、使用から10年以上経過するとさまざまな不具合が生じてきます。もし修理や交換で迷われたら、まずは専門家にご相談ください。